志貴と翡翠の夜の宴







「ごちそうさま」
夕食を終え席を立った志貴は食堂の出口辺りに立っている翡翠のすぐ隣を通過する
通過する僅かな間に志貴は翡翠に耳打ちした
『今晩12時に』
志貴にだけ分かる程度に頷き肯定の返事をする翡翠
そのまま普段どおり部屋に戻る志貴に頭を下げ食器を片付ける琥珀を手伝う
厨房にお皿を運びながらも翡翠の頭の中は今晩の事で一杯だった









11時40分
予想外に遅くまで仕事がかかってしまい少し焦り気味の翡翠はメイド服と下着を脱ぎ、手早く、それでも丁寧にシャワーを浴びる
シャワーを止め脱衣所に戻るとタオルで全身を拭き髪を乾かす
身体を拭き終わるとお気に入りの下着を身につける
ブラとショーツを身に着けたところで全身を鏡に映して変じゃないか確認すると寝間着を身につけた
準備できたところで時計を確認する







11時55分
約束の時間まであと5分しかない
急いで脱いだものを抱えると自分の部屋に向かう



ガチャ
部屋のドアを開けると中に入り、とりあえず脱いだものを一箇所にまとめて置いておく
ついでに時計を見て時間を確認する
そのまま振り返り今通ったばかりの入り口を再び戻りドアを閉める








11時57分
時間を気にして少し早足で志貴の部屋を目指す翡翠
しかしいくら急いでいるとしても今は深夜、あまり大きな音を立てるわけにはいかない


















12時00分
コンコン
ノックの音を聞いた志貴はすぐに時計を見て時間通りなのを確認するとドアを開く
そこには寝間着姿の翡翠が少し疲れた様子で立っていた
「お、遅くなりましたか?」
心配そうにたずねてくる翡翠に志貴は笑顔を浮かべる
「そんな事ないよ、時間ピッタリ」
そのまま翡翠の背中に手を回すとギュッと抱きしめてしまう
「あ、志貴様・・・」
そんな志貴の行動に翡翠は抵抗する事もなくされるがままになる
自然と二人の目が合う
そのままお互いに目を閉じると顔を近づけ・・・唇を重ねた




















「ごめんね、いつもコソコソこんな時間に呼び出したりして・・・」
志貴のベッドに二人で腰かけお互い寄り添いあいながら話をする翡翠と志貴
「いえ・・・・私は・・・・これで十分幸せです」
途中の間が翡翠の不満を表しているように志貴は感じたが翡翠本人はそれには気づいていないようだった
「・・・・・・・」
「志貴様?」
突然黙ってしまった志貴に翡翠が声をかける
「・・・・・今度暇なときに二人で散歩でもしない?・・・あっ、もちろん昼間にね」
「え!?」
今までなかった志貴の昼のデートの誘いに驚く翡翠
「いや?」
「そ、そんなことありません!」
翡翠がいきなり叫ぶ
志貴はそれにも慌てる事はない
「それじゃあ約束」
そう言って志貴は小指を差し出してくる
その指を翡翠はしばらく見つめてしまう
「・・・・・約束・・・」
数秒後翡翠は小さな声で呟くと自分の小指を志貴の小指に絡ませた























「翡翠・・・・」
「志貴様・・・・」
電気を消した部屋の中でお互い下着姿になり一つのベッドに入る二人
志貴の手が翡翠の身体に伸びスベスベの肌をなぞりながら背中に回される
そのまま翡翠の首の辺りに顔を埋める志貴
「石鹸の匂い・・・」
くんくんと犬のように匂いをかぐ志貴に思わず赤くなる翡翠
ペロッ
「ひゃ!!」
突然首にぬるっとした物が触れ、短い悲鳴を上げた
「し、志貴様いきなり何を・・・」
チュッ
「あふっ・・・だめです!そこに痕付けちゃ・・」
メイド服を着ても隠れないぐらいの場所に口付ける志貴を止めようとするが力では勝ち目はない
数秒で離れた志貴だったが翡翠には今までの経験からもう痕がついてしまっている事は分かっていた
しかも翡翠はこの手の痕が数日は残る
秋葉はとにかく感の鋭い琥珀にはすぐにばれてしまうだろう事は志貴にも分かっていた
それでも痕を付けたのには個人的な感情からだった
「・・・・・ごめん・・」
薄暗い室内で見えないが結構派手に痕がついている事が分かる志貴からは謝罪の言葉が漏れる
その表情があまりにも申し訳なさそうなので逆に翡翠のほうが申し訳なくなってきた
「・・・・どうされたのですか?いつもはこのような事なさらないのに・・・」
志貴はいつも翡翠に気を使い見えるところに痕を付けたりはしない
「・・・・・・・・うん・・・たまに不安になるんだ・・・翡翠は・・・・」
そこで言葉を切り、さらに辛そうな表情をすると翡翠の髪を撫でる
優しく撫でてくれる志貴の手のぬくもりを感じながら志貴からは目をそらさない
「・・・・・・翡翠は・・・・仕事だから俺に・・」
「言わないでください!!」
志貴の言わんとしている事に気づいた翡翠が言葉をさえぎる
「わたしは・・・・わたしは仕事なんかのつもりじゃありません!!せっかく長年の想いが叶ったのに!・・そう思ってたのに・・・なのに・・・・」
すっかり興奮した翡翠は普段の敬語が消えボロボロ涙を流しながら志貴の胸板をきつく握り締められた拳でポコポコ叩く
「・・・ごめん・・・・ごめん翡翠・・・」
志貴の謝罪の言葉も耳に届いていないのか志貴を叩く手は止まらない
別に特別痛いわけではないが泣いている翡翠を見ているのは心が痛んだ
「翡翠・・・・・・ごめん」
さらに謝罪の言葉を繰り返しながら胸板を叩き続けている翡翠を強く抱きしめる
「翡翠の気持ちを疑っているわけじゃないんだ・・・・・ただ俺は翡翠に好いてもらえるような自信がない・・・」
志貴も涙を流していた
「志貴様・・・・・・」
ようやく興奮が収まってきた翡翠は叩くのをやめると志貴に抱かれたまま顔を上に向け志貴の顔を見上げる
「ひす・・んっ!!」
さらに何か言おうとした志貴の口を自分の唇で塞ぐ翡翠
今まで翡翠からキスしてくることなのなかったので志貴は驚き、眼を大きく見開く
さらに舌が口内に侵入してきたときには一瞬思考が停止した
口内に入った舌は戸惑いながらも志貴の舌に絡まる
んっ・・・ちゅ・・・んちゅ・・
舌が絡み合うたびに室内に水音が響く
ちゅ
音を立てて離れた二人の間に橋がかかる
瞳を潤ませ頬を赤らめた翡翠が志貴を見つめた
その表情に志貴は・・・・・










「ひゃ!?」
可愛い悲鳴をあげる翡翠に志貴の興奮はさらに高まる
乱暴にブラをずらすと弾力のある胸を掴む
柔らかい弾力を返してくる胸に志貴の指がふにゅふにゅ沈んだ
「あふ・・・ああ」
ぴくぴくと身体を震わせる翡翠
ちゅ
「あああ」
さらに胸の先端に吸い付くと嬌声を上げた
そのままショーツに手を伸ばすと横から指を侵入させ秘所に一気に突き立てる
「やあ!!・・だめで・・・んあああ」
そのまま中で指を乱暴に動かす
すぐにグチャグチャといやらしいな音を立て始める
「あん・・・・し、志貴様・・・」
やがて耐えられないといった風で志貴の名前を呼び翡翠
志貴も翡翠の望みが分かったのかショーツをすばやく剥ぎ取ってしまうと自分も下着を脱ぎ全裸になる
そして・・・








翡翠の覆いかぶさった志貴はペニスの先端を濡れそぼった翡翠の秘所に添えた
「いくよ・・」
「・・・はい」
グチュ
翡翠の中を堪能するようにゆっくりと押し込む志貴
「うう・・・はあああ」
志貴の身体に抱きつき自分の中に異物が侵入してくる奇妙な感覚に耐える翡翠
コツンとペニスの先端が翡翠の一番奥に当たる
「ひう・・」
そのまま翡翠の身体を抱きしめた
「動くよ」
「は、はい・・・」
志貴は腰を引きそして打ち込む
「あんぅ・・」
「翡翠・・」
翡翠の上げた可愛い声にたまらなくなった志貴がさらに胸に手を伸ばし揉み解す
「ああ・・・んああ・・・あふああ」
その間も当然腰は動かし何回もしているにも拘らずするたびに良くなる翡翠の中を堪能する
「翡翠の中は気持ちいいな」
「そ、そんあああ・・んああ」
反論する暇も与えずさらに腰を激しく動かす
「とりあえず一回いくよ・・」
「ああ・・はい・・・きてください・・ああ」
クチュクチュクチュ
一気にスパートをかける志貴、翡翠の腰も自然と志貴に合わせ動いていた
「っ!!!!」
ドクンドクン
「あああ」
自分の中で破裂したように広がる熱い液体に悲鳴を上げる翡翠







軽くイッタらしくぐったりとした翡翠の左足を掴むとペニスを挿入したまま翡翠の身体を横にする
「あううう」
「くっ」
性器がねじられる感覚に表情を歪める二人
志貴はそのまま腰を動かす
クチュクチュクチュ
「はああうう・・・ああん・・ふあああ」
いつもと違う場所を擦られ喘ぎ声を強める翡翠
同時に秘所の締め付けが増し志貴の感覚も高まる
翡翠の左足をしっかり抱えさらに深く翡翠と繋がる
「っああ!!・・奥に・・・」
いつもより強い圧迫感に悲鳴を上げる翡翠
「だ、だめです・・・・志貴様!!・・・・もう・・・ああ・・・・」
限界が近いのか翡翠は志貴のペニスをさらに強く締め上げ始める
「ああ・・・ふあああああああああああ」
ビクビク
体全体を震わせペニスをきつく締め上げた
「っ!!」
その締め付けに思わず出そうになった志貴だったが何とか耐える
クテッとベッドに身体を預けた翡翠は絶頂の余韻に浸っていた







「翡翠・・・・その・・・・俺はまだなんだけど・・・」
「え・・・・・・あ・・・・・す、すみません」
遠慮がちに言った志貴の言葉に翡翠は慌てて起き上がろうとしてベッドに両手を付く
・・・・しかし
「あ・・・・」
身体を両手で持ち上げたところで力が抜け顔面からベッドにうつ伏せに倒れる
「うっ!!」
「ひう!!」
いまだ中に入ったままの志貴のペニスがさらに捻られ二人そろって悲鳴を上げた
「!?っ・・ごめん翡翠!!・・・もう我慢できない!!」
翡翠の格好を見た志貴はたまらず翡翠の腰を掴みそのまま自分の腰を振る
ちなみに今の翡翠はうつ伏せになり志貴と繋がっている腰だけが上に持ち上げられたような格好だ
パンパンパン
グチュグチュグチュ
「あああ・・・ふあああ・・っは・・はあ」
出入りするペニスと秘所の間からは先程出した志貴の精液と翡翠の愛液が混じりあいシーツに垂れていく
お互いの体がぶつかり音を立て繋がっている場所からはいやらしい水音が立つ
「翡翠!!・・いいよ!!」
「んんん・・・・んふううう・・」
シーツに顔を押し付け少しでも声が出ないように我慢する翡翠
当然志貴の言葉に答えられるわけもない



やがて・・・・
「翡翠!!」
「ふあんんんっ」
ビュクビュクビュク
翡翠の中でペニスがさらに膨張しその先から熱い精液を吐き出す
それは迷うことなく翡翠の子宮口に直撃した














ヌプッ
小さくなったペニスが翡翠の中から抜ける
ポタ・・ポタ
ペニスと二人の体液の混じったものが垂れ落ちた
さらに秘所からは受け止め切れなかった精液が垂れ翡翠の太ももに滴となって伝う



















後始末を済ませ再びベッドに横になった二人はいつもの様に抱き合いながら静かに会話する
「翡翠・・・・どうかしたの?」
悲しそうな表情をしている翡翠のことが気になり尋ねる志貴
「・・・・・・・あ・・実は・・・」
翡翠は言いにくそうに口を開き戸惑いながらも言葉を紡ぐ
「うん?」
「・・・・・今日は・・・・その・・・・・」
「?」
小声でボソボソ喋る翡翠に志貴は首を傾げる
「・・・・・・志貴様にお伝えしなければいけない事が・・・・・」
「なに?」
「・・・・・・あの・・・・・私・・・・・・もしかしたら・・・・・子供が・・・・・出来たかもしれません・・・」
ボフッ
志貴の顔が枕に突っ込んだ
「し、志貴様?」
「・・・・・ほ、本当?」
枕から顔を上げた志貴が戸惑いながら尋ねる
「も、申し訳ありません!!」
目に涙を一杯にためて謝る翡翠
「ちょ、ちょっと翡翠どうして泣くの!?」
これには志貴も慌てる
「う・・・・こうして抱いて頂けるだけでも申し訳ないのに・・・・子供まで・・・・・うっ・・・」
再び目から涙を流し始める翡翠
「翡翠・・・・・俺は嬉しいよ・・・・子供が出来て・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・結婚しようか・・・・」
何気なく言った志貴の一言に翡翠の思考は一瞬停止する
「・・・・・・・え・・・・・」
「子供・・・・生んでくれる?」
にっこり微笑んだ志貴が翡翠に問いかけた
「・・・・・はい!・・・・・・でも・・・・本当に私などでよろしいのですか?」
「俺は翡翠がいいの!」
強くそう言うと志貴は翡翠の左手を握る
「まだ指輪は買ってないんだ・・・・・ごめんね・・・・もう少し我慢してくれる?」
「・・・・はい・・・・はい・・・」
志貴の胸に顔を埋めて涙を流しながら返事を繰り返す翡翠
・・・・・その様子を窓から差し込む見事な満月だけが見守っていた












あとがき
「志貴と翡翠の幸せな・・・」の前の出来事として書きました
ベッドの中でのプロポーズ・・・・・




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